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Romance夢紀行

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Archangel's Kiss/ナリーニ・シン あらすじ

ギルドハンターシリーズ第2作、読書メモを作った記憶がなかったのですが、まとめページを作っていて、古い記事から発見しました! 今よりも更につぎはぎですが、ひとつのページにまとめておきます。

※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
2012年12月~翌年2月末に読了。辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

(2019.11.28 一部訂正)

エレナが覚醒して3日たちました。大天使ウラムとの戦いで全身ぼろぼろになり、リフュージで1年間昏睡状態だったエレナ。目覚めはしたものの、天使としての特性で傷は癒えても、筋肉が落ちていて、思うように新しい身体を動かすことができません。特に新たに生えてきた羽は持ち上げることも難しく引きずって歩くような状態。不思議なことにヴァンパイアハンターとしての生まれながらの能力は衰えておらず、また弱点も変わらないままでした。

そしてウラムとの死闘を通して感動的な絆を結んだはずのラファエルとエレナなのですが、目覚めた後にエレナは恋人なのだから自分たちは対等なパートナーでしょう、というと対等などということはありえない、自分のことは「サイアと呼べ」とラファエルは言い放ちます。エレナは天使としてはまだ赤ちゃんのレベルで守ってあげなければならないほど脆弱な存在だから、他の大天使からみたらエレナはラファエルの新しいペット、ラファエルにとっては大きな弱点なのだと言われ、大喧嘩になります。

大天使リージャンがエレナの祝いの舞踏会を開いてくれることになり、エレナは自分の身を守るために早く一人前になることを周囲に要求されることになりました。ラファエルの側近であるセブンたちはかわりがわりエレナを鍛え始めます。

ドミトリはプールで人間を魅了できる自分の香りでエレナを包み込み、嫌がらせをします。「殺すわよ」とエレナに反発され、いつもながらの小競り合いしているところにイリウムが飛んできます。二人の様子を面白がっているところに、ラファエルがやってきて「なぜドミトリが裸でそこにいるのだ」と尋ね、プールの水が凍っていきます。エレナが私は氷結したくないんだけどと言うと、現象は止まります。ラファエルの妖力のようです。ラファエルはドミトリの忠誠心は疑っていないものの、エレナとドミトリが本気で争えば、エレナが死ぬことになるのではと心配して、彼と話そうかと提案しますが、エレナが彼には自分で対処すると断ります。イリウムがナザラカから連絡があったというと、ドミトリはイリウムに来い、といってその場を離れます。二人きりになると、ラファエルはエレナの耳の銀のフープイヤリングを外し、独身の印はもう相応しくない、といって特定の相手がいることを示すシンプルな琥珀の石のピアスを付け直してくれます。エレナが貴方も琥珀の指輪を身に着けてくれるのよね?と確認すると、まだもらっていないというので、ふさわしい品を用意するまで代わりの品をなにか身に着けておいてとラファエルに言っていました。

気分転換に出掛けた空の散歩先で、エレナとラファエルが顔も判別できないほど痛めつけられたヴァンパイアを発見します。その後の調査で、指にはめていた指輪が賭けでイリウムから譲られたものだったということがわかり、被害者がノエルだと判明します。治療時に彼の肋骨の中にはギルドから配給される刀が埋め込まれていたことがわかります。彼はセブンの配下で優秀なメンバーだということですが、ラファエルの庇護下のヴァンパイアを痛めつける理由は? そして誰が? ラファエルはドミトリと犯人とその目的を論じ合い、その後エレナを守るようにと命じます。エレナは現地で匂いを調査しますがなにも見つからず、おそらく空から落とされたのではと推理しています。

セブンたちはエレナがラファエルの羽を撃った際に彼の疵が容易に癒えなかった事件のこともあり、彼女がラファエルを弱くしているとみなしているドミトリを筆頭に、彼女の存在を快く思っていませんが、ラファエル自身の命令で最終的には同意します。リフュージでは常時セブンのうちの2人が陰に日向に警護に当たっていますが、イリウムはエレナのお気に入りでもあるため、イリウムが多くシフトに入っています。ミカエラがあと1時間でリフュージに到着することに。エレナが天使として復活したことを聞きつけたようです。

エレナが目覚めると部屋のバルコニーにはイリウムがいました。 ラファエルのことを、アンブロシアのことを思い出しているエレナの顔をみて、昔そういう顔をした女性を知っていると。イリウムに天使の掟を破らせることになった人間の女性のことです。そのほかに(1巻で死んでしまった父親の秘書の)ジェラルディンのことや彼女が通っていたバーのことなど会話しているうちに、いまラファエルが会っているのがミカエラだと知り、怒るエレナ。

ラファエルがやってきて、イリウムは辞去し、エレナは電話で聞いた「リージャンのペットって何?」とラファエルにたずねます。死体を蘇らせているのだと伝えられ戦慄するエレナ。大天使には年齢とともに備わる妖力があり、その特質にはその人物らしさがあらわれるものだとも。滝のそばまで飛び、ラファエルの能力を見せてもらうエレナ。

そして「リフュージ癒しの間は天使の秘密なので、知った人間はいない」と告げられます。エレナを見舞うことでその秘密を知ってしまったサラ。誰かに秘密を話してしまったら、サラも秘密を話された人も消すしかないと聞き、私の心がそのことでえぐられてしまうとしても? と返すエレナ。ラファエルは「秘密を話さないように彼女に伝えるのだ」と。エレナがあまりにも年齢が若いということを忘れてしまうが、有限の命しかない人間はいずれは去っていく、と。サラのいない人生を想像できないエレナ。ラファエルの瞳の中に喪失の痛みを感じ取ったエレナが答えを期待せず問いかけると「ドミトリ」と返事が返ってきます。どんな事情があったのか。それ以上の説明はありません。

エレナは姉妹二人とユーモアある明るい母親との楽しい日常の風景が、殺人鬼パトリスの凶行で血に染まったことを詳しく記憶によみがえらせています。肉体が天使として生まれ変わったことで、ショックで消えていた記憶、薄れていた記憶もまた整理しなおされることで鮮やかによみがえり、悪夢というだけでなく、幻聴が聞こえたりするようになってきました。

ラファエルは、徹底的な暴行をうけたヴァンパイア ノエルから直接事情をきいています。ほとんど見たものはないものの、立ち去った時の羽ばたきが聞こえた、と。大天使イライジャからのメッセージだと伝えろと言われています。ただ背後にいる人物についてはラファエルはイライジャだとは思っていないようです。

エレナは与えられた居室や近くの図書室その他を見て回っています。最上階はラファエルのスイートになっていて、その下にはセブンたちの部屋があるようです。ラファエルのいつも目に留まる場所には2人の天使が織り込まれたある場面のタペストリーがかけてあり、これは実際どういう状況なのだろうかと思いめぐらします。

エレナはディミトリから、天使としての訓練をするべきだといわれて、リフュージ内の天使たちの学校に向かいます。そこには、名付け子のゾーイの瞳の中にも見られる無垢さをもった幼く見えるかわいらしい天使たちが5人いました。エレナに「あなたは子供なの?」などと質問したり興味しんしん。座り込んで膝に肘をついた彼女に「そんなことするとジェサミー先生に怒られるよ」と指摘します。そこに先生が来て、みんなに天使たちの翼の細かい名称や役割などを詳しく教えてくれます。

生徒たちを解散させたあと、若干困惑気味に「どうしてこのクラスにいらしたんですか? 個人教授するつもりだったんですけれど」と話す先生に「ドミトリの皮をはいでやる!」といきまくエレナ。先生は天使の記録をつけるのが自分の役目と話し、エレナにリージャンに対抗するために急いで知識を得なくてはならないと伝えます。先生の背中の羽の片方がよじれていて飛べないことに気が付いたエレナは、「あなたがそういうあなただから、今のあなたになったんですね」痛みを知っているからこそ、今までに会ったことのある天使のなかで一番優しいと伝えます。「それはあなたもでしょう」と返す先生。

エレナのことを案内しようと待っていた小さい天使サムと一緒に学校を見て回っていると、イリウムは庭で子供たちの手に届くか届かない高さに逃げながら追いかけっこをして笑いあっているのをみかけます。そこに鷹のような羽の柄をもつ天使ダハリエルが舞い降りてきて、エレナを睨みつけてきました。

ラファエルのところに、イライジャの他にも思いがけずイライジャの伴侶のハンナも現れました。大天使のパートナーという存在は今、エレナのほかには彼女だけです。数十年ぶりの挨拶を交わす二人。ハンナはラファエルに恋人ができたことを祝福してくれます。エレナにアンブロシアを与えた場面のことを聞かれますが、あまりにも個人的すぎる経験にラファエルは口を閉ざします。そこにイライジャが現れ、今度は男性二人での話し合いにうつります。

エレナのところにミカエラが現れます。いつもどおりの美しさ、そして高慢な雰囲気です。天使になった以上、自分にそれなりの敬意を払いなさいといいますが、エレナは自分はラファエルのパートナーだからと拒否します。話し合いの途中、「イリウムは?」とエレナが声を上げるとそこに血みどろでぼろぼろのイリウムが現れます。足止めをはかるミカエラ配下の天使やヴァンパイア5人を切り捨てて駆けつけてきました。「ビッチ!」と罵倒したエレナに、切れたミカエラが本気の攻撃をしかけ、エレナが投げたナイフは眼窩につきささり、さらにそこに駆けつけたラファエルが追撃します。ミカエラの配下を戦闘不能な状態に倒した容赦なさと、イリウムの怪我の程度を心配するエレナに、自分はきれいなだけでなく、牙もあるんですとイリウムは説明します。イリウムは自分の身に着けるもの、武器なども見えなくする能力があるようです。ミカエラはラファエルの大事な人に手を出した罰と報復として、ナイフはそのままに、どこか目立つ場所で晒されているようです。

場面はかわり、ドミトリに案内され、細い崖を通って一軒屋に連れて行かれるエレナ。そこにはラファエルや他のメンバー、そして小柄な母親が顔色をなくして立っていました。ここはエレナと仲良くなった小さな天使サムの家でした。彼が誘拐されていまい、残された臭跡をたどることに。エレナは自分が天使の匂いも時々感じ取れるようになっていることに気が付きます。家の中を見て回っているうちに、うっかり崖から飛び立つためのドアをあけてそのまま空中に踏み込んでしまって、落下したところをラファエルに助けてもらうエレナ。まだ人間らしく考える癖は治りません。

エレナは護衛のイリウムと共にサムを探しつつ、犯人の匂いをたどっています。飛ぶしかない場所で、ラファエルにしか運ばれたことのないエレナは内心抵抗を覚えますが、イリウムには「大天使にしか運ばれたことがないとは甘やかされている」といわれます。いわば中立地帯のリフュージには各大天使たちの居所がありますが、臭いをたどっていくとミカエラの家までたどりつきます。玄関にミカエラの信望者、ボディガードのライカーが現れます。一触即発の雰囲気ですが、幼い天使の追跡のため、ということでなんとか家の中を通してもらうことに。エレナの勘がサムは屋敷の奥に居る、と告げていますが、ライカーやミカエラも登場してすんなりとは通してもらえません。犯人の匂いが階段でかすかに感じられ、そこに現れたラファエルの口ぞえで部屋のドアが開けられると・・・そこにはトランクにつめられ、翼も体中の骨も折れた血だらけのサムの姿が・・・。生きているかどうかもわからない状態ですが、ラファエルが身体に手を当てるとかすかな反応が。かろうじて生きていました。ヒーラーのところに連れて行くことになりましたがエレナは痛がらせずに運べるとは思えないと思い、手が出せません。内心の激怒を燃え上がらせるラファエルとエレナですが、ミカエラは呆然と「私はやっていない」というばかり。

イリウムとエレナはここにサムを運んだと思われるヴァンパイアの 臭跡を屋敷の出入り口や空付近をだめもとでたどることにします。ミカエラ配下のたくさんのしつこい監視の目を感じながら。エレナは「すべての状況はミカエラを指しているけれど、違う気がする」それに対してイリウムはためらいつつ「小さな天使の存在はほんとうに稀有なことなのです」と返します。確かに彼女にはいろいろ欠点はあるけれど、彼女のやり方ではないと思うと。それでミカエラが昔、自分の子どもを亡くしたことがあるのではないかとエレナは思い至ります。

誘拐の実行犯と思われるヴァンパイアの死体と大天使リージャンの紋章バッチ?をエレナは貯水池とその付近で見つけだしますが、その首は切り落とされていて、周囲の臭跡がないことから空から落とされたものだと、ということは天使が共犯者にいるようだと考え始めます。そしてなくなっていた首は、毒の大天使ネハの娘である天使のアナウシュカの枕元で発見されたと知らせが来ます。

まだ完全に身体が回復していないエレナを思いやっていたものの、1年間いつ目覚めるともしれない彼女を見守り続けたやるせなさを抱えたままのラファエルの情熱が我慢の限界をこえ、エレナとの熱い時間を過ごします。寄り添うエレナの姿に彼女からの信頼を感じ、これは得がたいことで、また簡単に失うこともある貴重なものだと感じています。

天使の子どもたちやジェサミーと一緒に、エレナはサムを病院に見舞います。たびたび過去の事件のフラッシュバックに悩まされつつ、引き続き一連の事件の背後を探るべく調査を続けるエレナ。ラファエルも他の大天使と面談しつつ、黒幕の存在を探っています。ラファエルのセブンの一人で、まるでボクサーのようなマッチョなガレンがボディガードについています。ラファエルの弱みになると考えているエレナへの嫌悪感を隠そうともしませんが、エレナにレイピアの手ほどきをしてくれます。人間のように考えるな、と。

親友のサラに電話をすると、夫のディーコンから同じギルドハンターのアシュウィニが怪我をしたと聞かされます。回復できる怪我だと知り、ほっとするエレナ。ディーコンは彼女のために、天使の羽の邪魔にならない、携帯できる新しい武器クロスボウを用意したと伝えてくれます。ギルドハンターとして戻ってくるんだよな、と聞かれますが、そのつもりでいるエレナです。

サムの病室を見舞い、仕事の報酬として日本の天使にもらったという竜の伝説にちなんだルビーをはめ込んだ短剣をエレナはサムにプレゼントします。僕も竜を見つける!と大喜びのサム。病室を出ると忘れていた過去がよみがえります。

「子どもを霊安室に連れて行くなんて!」と反対する叔母に、父ジェフリーが「これだけは、私のやり方でやらせてくれ」「エレナが姉たちがモンスターになってしまったのではないか心配している。直接会えば、もうこれ以上苦しんではない、モンスターに変化していないということがわかるだろうから」と。父はエレナを霊安室に連れて行き、エレナが満足するまで付き添わせてくれたことを思い出し、ママが亡くなったとたん以前の父は居なくなったと思っていたけど、実際にはそうではなかったことを思い出します。

体力がついてきたら飛行訓練を行おうとラファエルに言われて「あなたが教えてくれるの?」と喜ぶエレナ。他の人物にはエレナの命は任せられないとラファエルは思っているようです。

リージャンからのいわくありげなプレゼントが届きました。いやな雰囲気を感じて開封を嫌がるエレナ。ラファエルは大天使の恋人になったことで、否が応でも大天使の政治ゲームに巻き込まれているのだと言って、品物を確認させます。品物はエレナの亡くなった母親のネックレスのレプリカでした。エレナが心を乱す様子を想像して愉しみ、いたぶろうとするリージャン。

エレナが「飛ぶには良い夜ね」というとラファエルが夜間飛行にと連れ出してくれます。そして崖のような場所で突然エレナのことを突き落とします。恐怖と怒りにふるえるエレナが幼い天使たちにも飛ぶ時には同じように教えのかと聞くと、ラファエルはそうだと。本能が一番働くからと。エレナは上手に飛べずに落ち、ラファエルは激突寸前で救い、ということを何度も繰り返すうちに少し翼が機能するようになってきました。部屋に戻り、熱い時間をすごす二人。早く飛べるようになって空で天使流のダンスを踊ろうとラファエルはエレナに囁いていました。

ラファエルが不在のときにはセブンの一人の天使のガレンがエレナに戦い方を教えてくれています。姿を現すと放ってよこしたのが大剣のような大振りの剣。大上段に振り かぶるだけで腕の筋肉が震えますが根性で振り上げていると「人間よりは力があるようだな」と、ガレン。ただ天使になった者は有史上エレナ以外いないから正確なところはわからないが、ヴァンパイアに変異したもののことを考えると、人間だったころに比べて著しく能力が上がることはないだろうと。

ガレンが誰かを呼び寄せるしぐさを見せると、イリウムが弾丸のように空から現れます。ギャラリーを締め出して、吹き抜け空間がある建物に入ると、ガレンはイ リウムを狙って短剣を投げるようにエレナに言います。いくら不死だといっても痛みはあるからそんなことはできない、といいますが、始めてみると額に汗が浮 かぶほどの回数を投げても、すばやく動き回るイリウムにはかすりもしません。ちょうちょのあだ名は伊達ではありません。ガレンは武器マニアのようで、エレナが身に着けた腕のガードに目を留めます。それを作ったのがディーコンで、エレナとは親しい仲だと知って、かすかにうらやましそう。イリウムとガレンは言葉の応酬を楽しんでいて、片や笑いに満ちた人物、片や岩から切り出したような人物ですが、どうやら友人同士の様子です。

ラファエルは配下のスパイマスター ジェイソンからリージャンの宮廷の潜入報告を聞いています。リージャンにはラファエルが生まれる前から近くに置いているヴァンパイアの配下がいて、立ち入りが禁止されている部屋に彼だけが入れるので、リージャンの秘密への足がかりになるのではと話し合っています。

事件の容疑者は3人。これだけの事件を起こすだけの野望と力を持っている天使で、現在リフュージに滞在している人物は、ラファエルの部下の一人と大天使アシュタッドの副官ダハリエル、ネハの娘のアナウシュカ。事件の目的はおそらく大天使の座を狙ってのことではないか、という疑いが強くなってきました。

イリウムを的にナイフ投げの練習に励むエレナ。3回当てることができたら素敵なナイフをプレゼントしてくれる? という賭けを持ちかけます。もしも当たらなかったら・・・君の狩りに連れて行って欲しいとイリウムは返して、賭は成立。惜しくもイリウムが逃げ切り、今度ヴァンパイア狩りに連れて行くことに。蚊に食われたりするし、なぜ彼がそんなに狩りに行きたがるのかエレナは不思議に思いますが、イリウムはもともと人間にとても魅せられている人物なのでした。練習しているところに、知らない美しい人物が木の箱を届けに来ます。ガレンが対応しますが、その間もエレナから目を離さない様子です。その人物はリージャンに仕えているようです。エレナは中身が気になりますが、ラファエルを待ちましょうとイリウムに説得されます。ラファエルがリージャンに送り付けた犯人のヴァンパイアの遺体をリージャンがそのまま送り返してきたということのようでした。

ダハリエルに長年虐待されている哀れな若いヴァンパイアがいるようです。ラファエルはジェイソンに「彼の契約をリージャンから買い取ろうか」と提案します。彼を助けても、また他の人物がダハリエルの虐待の対象になります、とジェイソンは返しますが、それでも彼は助かるだろう、といわれてジェイソンは感謝の雰囲気をにじませます。弱い者が虐待されることに強い拒否感を持つ理由が彼にはあるのかもしれません。

ラファエルは他の大天使たちの動向も調査し、ノエル虐待やサム誘拐事件の背景にいる大天使を探っています。エレナのところにヴェノムがきて手合わせすることになります。ヴェノムの匂いが昔の事件を思い起こさせ、エレナは感情をそぎ落としたような、ヴァンパイアハンターの本能のみで動く存在に切り替わり、容赦なくヴェノムを攻撃します。突然エレナが気絶したところにラファエルが舞い降りてきます。エレナを大切に抱き上げ、激昂のあまり「忠誠心がなくなったならどこへなりとも行くがいい」「おまえたち全員よりエレナが大事だ」 と言いますが、ヴェノムは忠誠心のありかはかわりません、と言います。見ていたガレンはヴェノムが本気で殺そうと思っていたら毒で殺せていたはずで、気絶したのはエレナの側の事情ではないかと推察しています。気絶から覚めたエレナはラファエルに気がつき、記憶はあるけれど奇妙だった事態を思い返します。まるでクワイエットのよう・・・。これは天使に変化したこととともに起こることなの?

エレナはラファエルとの飛翔訓練の合間には幼い天使サムの見舞いに行っています。リフュージの病院エリアを歩いていると、ドレスを血で朱に染めたミカエラが足もとに天使を這い蹲らせ向かってきます。剣呑な雰囲気です。サムを見舞いたいわ。彼はどこ? ラファエルはここから遠いところにいるわよ、助けはこないわと言って、エレナを攻撃します。ラファエルに心話で助けを求めつつ、なんとか防がねばとがんばるものの、クワイエットに陥っているようにみえるミカエラは容赦がありません。さらにガレン、ヴェノムにも助けを求め、即座に来てくれますが、ガレンは壁にたたきつけられ、ヴェノムも瀕死の状態にまで打ちのめされます。ヴェノムはエレナにとっては気持ちの良い人物ではないけれど、サムを身体を張って守ろうとする様子に、彼を見直していました。

ラファエルがくるまでなんとか時間稼ぎをしようと、エレナは「サムのところに案内します」と言って、ミカエラを連れ出します。医療を担当している天使ケルがサムはいま眠っていますと説明し、ガラス越しにサムを3人で見守りますが、ミカエラの危うい雰囲気にエレナは手の中のピストルを握り締めています。もしもミカエラの力がリフュージで爆発したら、リフュージそのものが吹き飛んでしまうため、それだけは避けたいと願っています。ラファエルがようやく到着し、静かにミカエラをそこから連れ出します。身体に着いた血は、ミカエラの配下のなかでサムの事件にかかわったと思われる人物を見つけて、処刑したときのもののようです。

場面はかわり、戻ってきたラファエルは手伝って欲しいといってエレナを外に連れ出します。そこには高い場所から墜落死したと思われる天使の死体が散乱しています。よくみると頭とからだは切り離され、内臓もすべてからだから出され、復活しないよう念入りに処分されています。ラファエルによるとこれは天使のアロシウスだと。二人で死体を検分しつつ、エレナがハンターの能力で臭跡を確認すると、たくさんある天使の匂いのほかに覚えのある香り、そうこれはミカエラの側近、ヴァンパイアのライカーだわ!

ラファエルがミカエラに会いに行くと、アロシウスの翼を折って、地上に落としたのは自分だと、その後を処理したのはライカーだと認めます。なぜだと聞くラファエルに、サムを誘拐した一味だったからと。殺す前に記憶を読み取ったのかと尋ねると、一瞬読み取った記憶のなかに箱に入れるシーンがあった。それ以外は汲み取ってないと返します。その後ラファエルは、自分だったらあんなに優しい方法では殺していない、もっと長い時間をかけて処罰しただろうとエレナに告白します。一瞬とまどうエレナに、ミカエラに殺された天使がサム誘拐の一味だったときいて納得します。そして自分も殺人鬼パトリスだったら同じように殺すだろうと。ただラファエルはいや、エレナはそんなことはしないだろうといっていました。

リージャンの催す舞踏会まであと2日。会場の北京には飛行機で向かいました。青い色のドレスに身を包んだエレナにラファエルはサプライズプレゼントを渡します。すばらしい逸品の鞘とナイフ、そして身につけるためのハーネス。大喜びするエレナをみて、ラファエルも満足げ。出発前にイリウムが、エレナに剣をプレゼントをしてもいいかと許可を仰いできたので、そんなものはエレナの伴侶の自分が用意していないとでも思ったかと怒ったようです。

エレナも独占欲はお互い様、私もあなたにプレゼントがあるといって小さな箱を取り出します。そこには琥珀がついた細いプラチナ指輪が入っていました。一度左手の薬指にはめ、またはずして光に透かすと石の色は濃くみえたり、薄く見えたり一様ではありません。そして指輪の裏にはKnhebekとありアラビア語で「愛してる」を意味する文字が彫られていました。ラファエルは君はアラビア語が話せるのか?と聞くとエレナが、母マルグレーテはモロッコ風アラブ語とペルシャ風フランス語と英語で育っていろいろな言葉を混ぜて話していたの。それでエレナたち姉妹、そして夫のジェフリーも単語などは理解していた、と。あるときジェフリーは姉妹たちに「ぼくは田舎者だからわからないよ」というと「パパのことを信じちゃだめ、フランス語を母国語みたいに操るんだから」とマルグレーテにいたずらっぽく返され、「傷つくなぁ」と胸を押さえたジェフリーのことを思い出します。

リージャンの宮廷に着いたラファエルとエレナ。今回初めて顔をあわせたセブンの一人のアオドハンがエレナの護衛につくことになりました。その麗しさにエレナも思わず視線を吸い寄せられていますが、アオドハンが他人との接触を避けているように感じます。彼はあまり口を開きません。

エレナがしつこくラファエル配下の天使ナザラカにダンスに誘われ、明らかに恐ろしさを感じる人物だったためにラファエルと全部のダンスを約束しているのでと断り、アオドハンと二人で他の場所へ移ります。人気のない部屋にでると、そこでヴァンパイア2人に命を狙われます。エレナをかばったアオドハンが壁に2本のナイフで釘付けにされ、エレナは自分の武器で応酬します。相手が流血したので、アオドハンを助けた後に匂いでヴァンパイアをたどると、一人はその場で毒症状のようなもので死んでしまい、もう一人はアナウシュカのもとに逃げ込んでいました。

アナウシュカはエレナをここに導くとは愚か者めとそのヴァンパイアを殺すと、エレナを殺して舞踏会場の大天使たちの前に首を持っていったらどんな顔をするかしら、と攻撃してきます。エレナは反撃しますが、力の差は歴然としています。『ラファエル!』助けを呼んで、全力で立ち向かいます。エレナを嬲ることを楽しんでいたアナウシュカには油断があり、エレナはついにナイフを眼窩に突き刺しさらに心臓にナイフを突き刺し、えぐって動きを止めることに成功します。そこに10人衆たちが現れました。

またアオドハンが血だらけのアナウシュカの護衛隊長を差し出し、彼女の頭の中を確認して、アナウシュカがノエルやサムの事件の首謀者だったと証言します。

幼い天使を害することは天使としての最大の禁忌。ネハは激怒しますが、大天使一人ひとりがアナウシュカを断罪し、ミカエラがアナウシュカの四肢を細切れに切断し、さらにラファエルの天使の炎によって滅せられました。

舞踏会場では、リージャンのそばには将軍のイクシィやヴァンパイアのほかにリボーンたちが控えています。舞踏会が開幕しますが、エレナ達のところにむかうリージャンの道をうっかりふさいだ人間やヴァンパイアはあっさりリボーンたちに始末され、リージャンとラファエルたちは向かい合います。もう死をもてあそぶことでしか生きがいを感じられないなら眠られたらいかがですかとラファエルが提案しますが、私は大天使たちを統べる大天使として、女神として君臨すると言って拒絶します。

命をもてあそび、ヴァンパイアを簡単に殺すことができるリボーン、蘇りの存在を許すことは世界の力のバランスを欠くことになるとリージャン以外の大天使たちは結束し、それぞれの手に天使の炎がともります。宮廷人たちは切迫した状況に我先にと逃げ出しますが、エレナやアオドハン、ジェイソンが協力してエレナがピストルで撃ち、ナイフで首を落とすなり、傷をつけて足止めしたところで、残りはアオドハンとジェイソンが蘇らないように始末するという段取りでその場には生きているリボーンはいなくなりました。

ラファエルに他のものと一緒に逃げるようにと命じられ、逃げ出しますが、エレナはまだ地面から飛び立てません。多少高さのある階段の段差から飛び降り、高さが十分でないため、ジェイソンとアオドハンがエレナの両腕を両脇から支えて飛びます。エレナは素早く飛べませんが、セブンたちは彼女からは離れようとしません。段々と大天使たちのいる方角から熱気が迫ってきて、落ちる!!! 

リージャンの力の爆発で北京は吹き飛び、そこには何も残りませんでした。ラファエルがエレナを探しに行くと、両足が骨までむき出しになりよじれた状態のジェイソンとアオドハンの下にエレナが横たわっていました。彼女が生きているのは感じられましたが、快復を妨げないようゆっくりと抱き上げると目を覚ましました。

リージャンは死んでおらず、ラファエルに水鏡で連絡してきます。あなたには厚意を持っているから、力が戻ったらまた会いにいくわ、と。


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